「◯◯ンゴ」の元ネタと意味は?【ネットスラング】

「◯◯ンゴ」の意味は?

◯◯ンゴ」は、文章の語尾に付けて使用するネットスラング。

それ自体に明確な意味はなく、ややおどけた雰囲気を出しつつ語尾にくっつけるだけのものとして使われることが多い。


もともとは失態を犯した人を嘲笑する際に使われていた表現だったが、時代とともに使われ方が大きく変化し、現在では主に以下の3つのパターンで使用されている。

  1. 誰かの失敗や失態を嘲笑する際の使い方。「あのピッチャーまた炎上してるンゴw」のように、第三者のミスをネタにして茶化すときに用いられる。この場合は「w」と組み合わせて使われることが多く、嘲笑のニュアンスが強くなる。
  2. 自分の失敗を自虐的に表現する使い方。「また遅刻して怒られたンゴ」「テスト0点だったンゴ」のように、自分のやらかしを軽く受け流したいときや、深刻に受け止められたくないときに使う。ユーモアを交えて失敗を報告することで、場の空気を和ませる効果がある。
  3. 特に意味を持たず語感の良さを楽しむための使い方。「タピオカミルクティーうまいンゴ」「推しに会えたンゴ」など、嬉しいときや楽しいときにも使われるようになった。この用法では、文章に親しみやすさやゆるさを加える「雰囲気ワード」として機能している。また「しょうがないンゴねぇ」「悲しいンゴねぇ」といった派生形も存在し、語尾に「ねぇ」を付けることでさらに柔らかい印象を与えることができる。

「◯◯ンゴ」の元ネタはこれ

「ンゴ」の元ネタは、プロ野球にかつて所属していたドミンゴ・グスマン投手の名前に由来している。

ドミニカ共和国出身で、横浜ベイスターズ、中日ドラゴンズ、東北楽天ゴールデンイーグルスなどでプレーした投手。


この言葉が生まれたのは2008年3月20日、プロ野球の開幕戦でのこと。

楽天イーグルスに所属していたドミンゴは、チームが2点リードした9回裏にクローザーとして登板した。しかし、わずか7球で1アウトも取れないまま逆転サヨナラホームランを打たれ、チームは敗北。
この衝撃的な炎上劇に、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の野球実況板では「ドミンゴwwwww」「ドミンゴー!」といった嘲笑の書き込みが殺到した。


さらにその2日後、今度はチームメイトの小倉恒投手がリリーフで登板するも、同じく1アウトも取れずに降板。

すると掲示板は「オグンゴwwwww」というレスで埋め尽くされた。このとき「○○ンゴ」という定型が確立され、投手の名前の最初の2文字とカタカナで書き、後ろに「ンゴ」を付けて茶化すスタイルが誕生した。


この「ンゴ」は、野球ch(野球板)からなんでも実況J(通称なんJ)へと広がり、「なんJ語」と呼ばれる独特のネットスラングの一つとして定着。

当初は野球の実況板でのみ使われていたが、まとめブログの発展とともにインターネット全体へと拡散し、野球とは無関係な場面でも使われるようになっていった。


なお、ドミンゴ以前にも大阪近鉄バファローズの「ヘクター・カラスコ」から派生した「スコ」、オリックス・バファローズの「エリック・コーディエ」から生まれた「ディエ〜」など、類似の表現が存在していた。

「◯◯ンゴ」の使用例

ンゴ」は主にSNSや掲示板で使われており、さまざまな場面で感情や状況を表現するスラングとして使われている。

基本的には文末に「ンゴ」を付けるだけのシンプルな構文だが、文脈によってニュアンスが大きく変わるのが特徴。


嘲笑のニュアンスで使う場合は、「あいつまたやらかしてるンゴwww」「先生の説明わかりにくすぎるンゴねぇ」といった形になる。

この場合は「w」を複数付けることで笑いの度合いを強調したり、「ンゴゴゴゴwwwww」のように「ゴ」を増やして感情の振れ幅を拡張したりする使い方も見られる。


自虐的に使う場合は、「スマホなくしたンゴ」「何もないところでこけたンゴ」「課題の締め切り忘れてたンゴ」など、自分の失敗を軽めに報告する形で使われる。

深刻に受け止められると辛いけれど、笑ってもらって消化したいという気持ちを表現できる。


意味を持たない語尾として使う場合は、「今日は一日ゴロゴロしてただけンゴ」「ひまンゴねぇ」「すまンゴ」「推しがテレビ出てたンゴ!」といった具合に、日常のあらゆる場面で使うユーザーも。

2017年頃には女子高生や女子大生の間でも流行し、マイナビティーンズによる「2017年ティーンが選ぶトレンドランキング」の「流行ったコトバ」部門で堂々の3位にランクインした。

語感の良さと使い勝手の良さから、若者を中心に口語でも使われるようになった。


2025年10月には、ガンで亡くなった若い男性が「グエー死んだンゴ」と投稿したことで話題に。

この投稿により、がん研究センターへの寄付が増えたとのこと。

本来ならとても茶化すような内容ではない悲しい話だが、投稿主からの「深刻にとらえず、せめて笑ってほしい」という想いが伝わってくるよう。

※筆者の勝手な推測です。御冥福をお祈りいたします(成仏してクレメンス)

「◯◯ンゴ」を使う上での注意点

「ンゴ」は特に元々の意味があるわけではないため、比較的カドが立ちにくいネットスラングのひとつ。

このスラングを知らない人に使っても「何それ?」くらいで済むことが多いはず。


ただ、基本的には茶化したようなニュアンスを含む言葉なので、真面目だったり深刻な話をしているときには使わないほうが無難。

たとえば他人の失敗に対して使う場合相手を傷つけてしまう可能性もあるため、注意しておこう。

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